英ARMは2011年12月1日、無償版のリファレンスソフトウェア開発ツールキット「Development Studio 5 Community Edition(以下、DS-5 CE)」のリリースを発表した。
同製品は、主にAndroidアプリケーションの開発者コミュニティーを対象としたもので、Javaコードの最大4倍の速度で計算集約型タスクを処理するネイティブソフトウェアの開発を支援。ARMネイティブコードをAndroidアプリケーションに使用することにより、性能とエネルギー効率を高める独自ツール群を開発者に提供する。
DS-5 CEは、フル機能版のDevelopment Studio 5から一部制限があるものの、Androidアプリケーション開発者が直面する一般的な問題を解決するための機能を備え、NDK生成コードに対応するデバッガ、およびARM NEON Single Instruction Multiple Data(SIMD)レジスタなどのプロセッサ情報を表示する機能が含まれるという。また、同じEclipse統合開発環境(IDE)でJavaとC/C++コードを開発できるため、生産性の高さと使いやすさが特長となる。
さらに、DS-5 CEはARM Streamlineパフォーマンスアナライザの機能限定バージョンを装備し、互換性のあるAndroid開発プラットフォームに対応。Streamlineにより、開発者は各種のソースからシステム全体にわたる詳細な性能統計データを収集し、コードのホットスポットを特定したり、潜在的な原因を解析したりすることができる。プラットフォーム開発者は「Linaro」のWebサイトに公開されているオープンソースドライバを使用して、Streamlineの機能を追加することが可能だ。
同日より提供を開始。個人または年間売上高10万ドル以下、従業員10人以下の組織に無償で提供する。
2011年12月2日金曜日
2011年12月1日木曜日
“本当の”iPhoneは1台でモバイルルーターにもなる
実は、日本のiPhoneユーザーはある機能の使用が制限されている。海外で販売されているiPhone4Sは無線LANの親機となるテザリング機能が、買った時から標準装備されている(iOSが4.3以降にアップデートされていればiPhone4でもテザリング機能が使える)。
このテザリング機能を使えば、iPhoneがモバイルルーターとしても機能する。つまり、無線LAN機能を備えたノートパソコンやタブレット端末、更にゲーム機などをいつでもどこでもインターネットに接続できるようになる。
ところが、ソフトバンクとauが販売するiPhoneはSIMロックされているだけでなく、この便利なテザリング機能も封印されている。そのためモバイル環境でネット接続が必要な人は、別途モバイルルーターのための出費も余儀なくされている。
SIMロックを外してしまうと、他の通信キャリアのSIMカードが使えるので顧客を囲い込めなくなる。通信キャリアの収益を安定させるため、供給者側の論理で導入されているものだ。
では、なぜテザリング機能もロックしているのだろうか。ソフトバンクに聞いてみると「通信品質を保つため」との答えが返ってきた。どういうことかと言うと、モバイル環境で大量のデータ通信を行うヘビーユーザーが数%いて、そのような人がiPhone経由で大量のデータ通信をしてしまうとその他の利用者の通信に悪影響を及ぼしてしまう。だから一部のヘビーユーザーの行動を抑制するためにすべてのiPhoneユーザーのテザリング機能をオフにしているのだという。
そのようなヘビーユーザーはどこの国でもいるようで、米国ではデータ通信サービスの定額制が徐々に崩れてきている。いずれにしても、外出時でもネット接続が必要な人はiPhoneを持っていても、各通信キャリアが提供しているモバイルルーターを利用しなければならない。
モバイルルーターを活用するにはいくらかかるのか。代表的なイー・モバイルのポケットWiFiシリーズを見てみよう。同社は現在、2年契約すれば最新のモバイルルーターを月額3880円で使える高速モバイルキャンペーンを展開している。端末代金は無料で提供しているので、月に3880円支払えば外出時でもネットがつなぎ放題だ。とは言え、2年間の総費用は9万3120円かかってしまう。
仮にauで新たにiPhone4Sを契約した人がイー・モバイルのモバイルルーターも併用したとすると、2年間の合計費用は最低でも24万3720円(=15万600円+9万3120円)かかる計算となる。ソフトバンクのiPhone4Sと併用する場合、最も安い組み合わせでも22万240円(=12万7120円+9万3120円)となる。
繰り返しになるが、今回の料金比較で前提としているのはデータ通信のみが定額サービスであること。音声通話に関しては、無料通話の範囲を超えれば30秒に付き21円ずつ従量課金されるので、実際の出費はこれ以上となる。
このテザリング機能を使えば、iPhoneがモバイルルーターとしても機能する。つまり、無線LAN機能を備えたノートパソコンやタブレット端末、更にゲーム機などをいつでもどこでもインターネットに接続できるようになる。
ところが、ソフトバンクとauが販売するiPhoneはSIMロックされているだけでなく、この便利なテザリング機能も封印されている。そのためモバイル環境でネット接続が必要な人は、別途モバイルルーターのための出費も余儀なくされている。
SIMロックを外してしまうと、他の通信キャリアのSIMカードが使えるので顧客を囲い込めなくなる。通信キャリアの収益を安定させるため、供給者側の論理で導入されているものだ。
では、なぜテザリング機能もロックしているのだろうか。ソフトバンクに聞いてみると「通信品質を保つため」との答えが返ってきた。どういうことかと言うと、モバイル環境で大量のデータ通信を行うヘビーユーザーが数%いて、そのような人がiPhone経由で大量のデータ通信をしてしまうとその他の利用者の通信に悪影響を及ぼしてしまう。だから一部のヘビーユーザーの行動を抑制するためにすべてのiPhoneユーザーのテザリング機能をオフにしているのだという。
そのようなヘビーユーザーはどこの国でもいるようで、米国ではデータ通信サービスの定額制が徐々に崩れてきている。いずれにしても、外出時でもネット接続が必要な人はiPhoneを持っていても、各通信キャリアが提供しているモバイルルーターを利用しなければならない。
モバイルルーターを活用するにはいくらかかるのか。代表的なイー・モバイルのポケットWiFiシリーズを見てみよう。同社は現在、2年契約すれば最新のモバイルルーターを月額3880円で使える高速モバイルキャンペーンを展開している。端末代金は無料で提供しているので、月に3880円支払えば外出時でもネットがつなぎ放題だ。とは言え、2年間の総費用は9万3120円かかってしまう。
仮にauで新たにiPhone4Sを契約した人がイー・モバイルのモバイルルーターも併用したとすると、2年間の合計費用は最低でも24万3720円(=15万600円+9万3120円)かかる計算となる。ソフトバンクのiPhone4Sと併用する場合、最も安い組み合わせでも22万240円(=12万7120円+9万3120円)となる。
繰り返しになるが、今回の料金比較で前提としているのはデータ通信のみが定額サービスであること。音声通話に関しては、無料通話の範囲を超えれば30秒に付き21円ずつ従量課金されるので、実際の出費はこれ以上となる。
ドコモ、来年夏にiPhone参入
複数の関係者によると、11月中旬にドコモの山田隆持社長と辻村清行副社長らが訪米し、アップル本社でティム・クックCEO(最高経営責任者)らと会談。次世代iPhoneと次世代iPadの販売で基本合意し、販売数量などの条件について本格的な交渉を開始した。
アップルはドコモにiPhoneやiPadの販売権を与える条件として、ドコモが昨年12月に商用化したLTEネットワーク(サービス名は「Xi(クロッシィ)」)に対応させることを要求し、ドコモがこれに応じたもようだ。アップルがiPadとiPhoneにLTEの通信機能を搭載するのは、今回が初めて。
LTEは現行の第3世代携帯電話に比べ通信速度が5倍以上あり、インターネット上の動画コンテンツなどをスムーズに閲覧できる。ドコモは昨年12月にパソコン向けのデータ通信カードでLTEサービスを開始。今年11月24日には同社初のLTE対応スマートフォン「ギャラクシーSII LTE」(韓国サムスン電子製)を発売している。
LTEは次世代の携帯電話技術の本命と目されており、国内外の携帯電話会社がそれぞれ導入を急いでいる。国内ではKDDIやソフトバンクモバイルも導入計画を公表しているが、今回はライバルに先駆けてLTEを商用化したドコモの取り組みがアップルに評価された形だ。
国内販売開始から3年が経過した今も、iPhoneは携帯電話市場全体に大きな影響力を持っている。KDDIとソフトバンクモバイルが最新版のiPhone4Sを発売した10月、ドコモの純増数(新規契約から解約を差し引いた値)は大手3社の中で最下位に転落。これまで強みを持ってきた法人市場でも、iPadを武器に攻勢に出るソフトバンクモバイルに顧客を切り崩されつつある。こうした営業不振に対する焦りが、ドコモがアップルとの交渉を急ぐ背景となったようだ。
大手3社が横並びでiPhoneを取り扱うことで、端末面での差別化は難しくなる。そのため、今後は通信速度やつながりやすさといったネットワーク品質と、通信料金が携帯電話会社の競争力を左右することになりそうだ。
アップルはドコモにiPhoneやiPadの販売権を与える条件として、ドコモが昨年12月に商用化したLTEネットワーク(サービス名は「Xi(クロッシィ)」)に対応させることを要求し、ドコモがこれに応じたもようだ。アップルがiPadとiPhoneにLTEの通信機能を搭載するのは、今回が初めて。
LTEは現行の第3世代携帯電話に比べ通信速度が5倍以上あり、インターネット上の動画コンテンツなどをスムーズに閲覧できる。ドコモは昨年12月にパソコン向けのデータ通信カードでLTEサービスを開始。今年11月24日には同社初のLTE対応スマートフォン「ギャラクシーSII LTE」(韓国サムスン電子製)を発売している。
LTEは次世代の携帯電話技術の本命と目されており、国内外の携帯電話会社がそれぞれ導入を急いでいる。国内ではKDDIやソフトバンクモバイルも導入計画を公表しているが、今回はライバルに先駆けてLTEを商用化したドコモの取り組みがアップルに評価された形だ。
国内販売開始から3年が経過した今も、iPhoneは携帯電話市場全体に大きな影響力を持っている。KDDIとソフトバンクモバイルが最新版のiPhone4Sを発売した10月、ドコモの純増数(新規契約から解約を差し引いた値)は大手3社の中で最下位に転落。これまで強みを持ってきた法人市場でも、iPadを武器に攻勢に出るソフトバンクモバイルに顧客を切り崩されつつある。こうした営業不振に対する焦りが、ドコモがアップルとの交渉を急ぐ背景となったようだ。
大手3社が横並びでiPhoneを取り扱うことで、端末面での差別化は難しくなる。そのため、今後は通信速度やつながりやすさといったネットワーク品質と、通信料金が携帯電話会社の競争力を左右することになりそうだ。