旅の形は、時代とともに変化し続けている。かつては有名観光地をスタンプラリーのように制覇することが旅の主流だったが、2026年はまったく異なる価値観が旅人たちを動かしている。エクスペディア・グループが発表した最新のトレンドレポート「Unpack '26」は、これからの旅スタイルを鮮やかに映し出している。[Source: https://macaro-ni.jp/174105]
旅のきっかけは「画面の中」から生まれる時代
近年、映画やドラマ、アニメのロケ地を実際に訪れる「聖地巡礼」や「ロケ地ツーリズム」が急速に広がっている。これは単なるファン心理にとどまらず、コンテンツが旅の動機として確立されつつある現象だ。エクスペディアのレポートによれば、視聴したコンテンツに影響を受けて旅先を決める旅行者の割合は顕著に増加しており、特定の作品の舞台となった都市や地域への予約数が跳ね上がっているという。[Source: https://macaro-ni.jp/174105]
日本国内でも、京都や長崎、あるいは北海道の小さな町が映像作品を通じて一躍脚光を浴びる事例は珍しくない。海外に目を向ければ、イギリスのハリー・ポッタースタジオや韓国のドラマロケ地ツアーなど、コンテンツに根ざした観光商品はすでに大きな産業となっている。2026年はこの流れがさらに加速し、旅行者が「どこへ行くか」よりも「何を体験したいか」を軸に目的地を選ぶ傾向が強まると予測されている。
ホテルホッピングという新しい贅沢
一つの宿に滞在し続けるのではなく、複数のホテルを渡り歩く「ホテルホッピング」も2026年のキーワードとして挙げられている。これは単なるコスト削減の手段ではなく、宿そのものをアトラクションとして楽しむという発想の転換だ。
特に注目されているのが、古い建物や歴史的建造物をリノベーションした個性豊かな宿泊施設だ。均質化したチェーンホテルではなく、その土地の歴史や文化が染み込んだ空間で眠ることに価値を見出す旅行者が増えている。築100年の町家を改装した京町家ステイ、廃校になった学校を転用したグランピング施設、倉庫群を再利用したデザインホテルなど、建物の記憶を引き継いだ宿は旅の物語を豊かにする。
ホテルホッピングの実践方法としては、1泊目はシティホテルで利便性を確保し、2泊目はリゾートや古民家宿でゆっくりと過ごすといった組み合わせが人気だ。一つの旅程の中でコントラストのある体験を積み重ねることで、旅の満足度が高まるという。
スポーツ観戦が旅の目的になる
「スポーツツーリズム」も2026年の重要なトレンドとして浮上している。サッカー、バスケットボール、野球、テニスなど、好きなスポーツの試合や大会を現地で観戦するために旅に出る人々が世界規模で増加している。[Source: https://macaro-ni.jp/174105]
2026年はFIFAワールドカップがアメリカ・カナダ・メキシコで開催される年でもあり、スポーツ観戦を目的とした国際的な人の移動がかつてない規模になると予測されている。しかし大型国際大会だけがスポーツ旅の舞台ではない。地元リーグの試合、マラソン大会への参加、あるいは憧れの選手が所属するクラブのホームゲームを観に行くといった、個人の熱量に根ざした旅も増えている。
スポーツ観戦旅の魅力は、試合という明確な「ハイライト」が旅に存在することだ。それを軸に周辺の観光や食事、ショッピングを組み立てることで、旅程全体に緊張感と解放感が生まれる。スタジアムの熱狂、地元サポーターとの交流、試合前後の街の雰囲気は、その場所でしか味わえない体験だ。
「スローダウン」という逆張りのトレンド
一方で、あえてペースを落とし、一つの場所にじっくりと腰を据える「スロートラベル」も根強い人気を誇っている。観光スポットを次々とこなすのではなく、市場をぶらぶら歩いたり、カフェで地元の人と話したり、何もしない時間を意図的に設けたりすることで、旅の深みが増すという考え方だ。
このトレンドは、パンデミック後に広がった「旅の質を問い直す」意識とも重なる。遠くへ行けない時期を経て、近場でも非日常を見つけられることに気づいた旅行者が、目的地の数よりも滞在の濃さを重視するようになったのだ。
2026年の注目デスティネーション
エクスペディアが予測する2026年の急上昇旅行先には、これまで観光の主流から外れていた「穴場」が多く含まれている。欧州ではアルバニアやジョージア(コーカサス地方)のような新興目的地が人気を集め、アジアではベトナムのダナンやインドネシアのロンボク島などが注目されている。日本では、過度に混雑した京都や東京から離れ、山形、島根、宮崎といった地方都市への関心が高まっている。
オーバーツーリズムへの反省から、観光客が分散することを意図した「分散型旅行」の概念も広がっており、旅行者自身がより意識的に混雑を避けた旅先を選ぶようになっている。
まとめ:旅は「自分らしさ」を表現する手段へ
エクスペディアの「Unpack '26」が描く2026年の旅は、画一的なパッケージではなく、旅行者一人ひとりの興味・価値観・ライフスタイルに深く紐づいたものだ。ロケ地を辿る旅、宿そのものを楽しむ旅、スポーツに熱狂する旅、あるいはただただゆっくりと過ごす旅。どれもが正解であり、「旅の正解は自分の中にある」というメッセージが、このトレンドレポートの根底に流れている。
2026年、あなたはどんな旅スタイルで世界に飛び出すだろうか。
Category: 旅行 | Tags: 旅行トレンド2026, エクスペディア, スポーツツーリズム, ホテルホッピング, ロケ地巡り
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