2016年12月20日火曜日

米NHTSA、乗用車への車車間通信システム搭載義務付けに関する法規案を公示

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は13日、米国で販売される新車の乗用車に車車間(V2V)通信システムの搭載を義務付ける法規案を公示した。

NHTSAでは2014年からV2V搭載の法制化に向けた作業を進めていた。現在、パブリックコメントを受け付けており、2019年の法制化を目指す。2019年に法制化が行われた場合、2021年から段階的な導入が進められ、2023年には対象車両へのV2V搭載義務付けが開始されるとのこと。

V2V通信システムは専用の短距離通信規格(DSRC)を用い、周囲の車両に位置や速度、進行方向、ブレーキの状態などを送信する。データは秒間最大10回更新され、他の車両のV2Vシステムは受信したデータをもとにドライバーに注意を促すなどの処理を行う。先進運転支援システムを搭載する車両では、V2Vのデータをもとに自動ブレーキを使用するなどの危険回避も可能になる。

またV2Vとは別に、NHTSAでは車両と信号や標識、道路工事現場など道路上のインフラストラクチャーが通信する車路間(V2I)通信についても近くガイダンスを公表する予定だという。V2VとV2Iにより、交差点や車線変更時の衝突事故を含む、アルコールやドラッグの影響を受けていないドライバーによる衝突事故の最大80%について、回避または深刻度の緩和が可能になるとNHTSAでは予測しているとのことだ。