2018年1月13日土曜日

米当局のビットコイン抜本策着手は時間の問題-著名弁護士コーエン氏

  過去の銀行危機対応で重要な役割を担い、大手金融機関の多くに助言するロジン・コーエン弁護士は、米監督当局がビットコインへの抜本的対応を始めるのは時間の問題だとみている。

  ニューヨークの法律事務所サリバン・アンド・クロムウェルで上級会長を務めるコーエン氏(73)はインタビューで、グローバルな銀行が仮想通貨関連の投資家向けサービスを打ち出す中、急成長する市場を監視する共同戦略を複数の連邦当局が策定すると予想。財務省中心に規制当局で構成される金融安定監視評議会(FSOC)が主導的役割を担うのが妥当との認識も示した。

  同氏は「仮想通貨は多くの問題を引き起こすため、一つの単独機関でそれらに合法的に対処できるとは思えない。FSOCは各機関をまとめる理想的な場所になるだろう」と述べ、「的を絞った規制アプローチに加え、仮想通貨のプラスとマイナス両面への理解を確実にすることが目的だ」と語った。

  これまでのところ金融機関は、仮想通貨を巡る熱狂に興味をそそられながらも、ほぼ規制がなく不透明な市場に飛び込むことに消極的だ。マネーロンダリング(資金洗浄)を防止する厳格なルールなど、規制に触れる恐れなどが二の足を踏ませている。

2018年1月9日火曜日

10cmの宇宙ごみ監視、高性能レーダー製造へ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))は2018年度、人工衛星への衝突を回避するため、大きさ10センチ程度の小型の宇宙ごみを監視できる高性能レーダーの製造に乗り出す。

 防衛省が計画する別のレーダーとも連携し、23年度にも本格運用を始める。

 日本上空の低軌道(高度数百〜2000キロ・メートル)を回る宇宙ごみは、JAXAが岡山県に設置したレーダーで監視している。しかし、大きさ1・6メートル以上のものしか監視できず、多くを占める10センチ程度のごみを捕捉できないのが課題だった。

 現レーダーに隣接して建設する新レーダーは、宇宙ごみに当てる電波の出力や受信感度を大幅に上げるほか、特殊な信号の処理技術も採用し、現レーダーの約200倍の探知能力を持たせる。この結果、地球観測衛星などが多く回る低軌道で、10センチ程度の宇宙ごみの監視が可能になるという。

翻訳AIの無限の可能性 英会話も「AI相手に学ぶ」時代に

卒業までにすべての生徒が英語検定(英検)「準1級」に合格することを目標に掲げている女子校がある。東京にある品川女子学院だ。同校では高校生を対象に2017年夏、英語の自習教材としてAI英会話アプリを導入したという。品川女子学院が導入を決めた理由は「発話力の強化」だった。

一般的に英語学習には「聞く、話す、読む、書く」の4技能がある。そのなかでも「話す」ことは、英語で会話する相手が必要なため個別トレーニングが難しく、最も大きな課題となっていた。そんな課題を解決してくれるのが、ソフトウェア開発・ジョイズのAI英会話アプリ「テラトーク(TerraTalk)」だ。

話し放題の英会話アプリであるテラトークは、自分の英語レベルに合わせて、会話レッスンを受けることができる。ユーザーの話し相手をするのは、AI。気兼ねなく、自分が好きなときに好きなだけ英会話をすることができるわけだ。

さらにAIが発音や表現のレベルを診断してくれるので、自分の弱点を確認しながら学習を深めることもできる。実用性の高い英会話を学びたい人には、うってつけのアプリといえるだろう。

すでに始まったリアルタイム翻訳

AIを使って英会話を体得する時代に突入したことは大きな進歩だが、一方ではよりダイレクトに「言葉の壁」を突破しようという試みは少なくない。従来のように、音声を翻訳してテキストとして出力するのではなく、音声を音声で翻訳するリアルタイム音声翻訳だ。

AI技術を活用したリアルタイム音声翻訳といえば、マイクロソフトのクラウドベースの翻訳サービス「Microsoft Translator」が代表格だろう。同サービスの日本語リアルタイム翻訳は、スカイプ翻訳にも導入されている。

同サービスを使うと、日本語を使う人と英語を使う人が会話をしているとき、前者が日本語をしゃべると後者のイヤホンには音声合成の英語が流れる。もちろん逆も然りだ。リアルタイムに外国語が翻訳されるため、新しいコミュニケーションの可能性を感じさせてくれる。

Microsoft Translatorはこれまでの統計的機械翻訳ではなく、ニューラルネットワークを活用した翻訳エンジンを使っているという。マイクロソフトによれば、「既存の業界標準の統計的機械翻訳テクノロジよりもはるかに高い翻訳品質を実現」(マイクロソフト公式ブログより)しており、「特に、複雑な構造を持つ日本語においては、ニューラルネットワークによる翻訳を実現したことで、品質を大幅に向上」(同)できたとのこと。

ディープラーニングを行っているため、使えば使うほど翻訳精度が高まることも強調されていた。将来的に「外国語学習は不要」という世界が訪れるのではと期待が膨らむ。

通訳者は「AIイヤホン」に変わっていく

AIによる翻訳が広がるのに合わせ、リアルタイム翻訳を身近にする「AIイヤホン」という新たなツールも続々と登場し、競走が激化していきそうだ。

グーグルが2017年10月に発表したワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」には、40カ国語に対応するリアルタイム翻訳機能が使えるマイクが搭載されており、会話相手の外国語を自分の母国語に音声で翻訳してくれるそうだ。

韓国NAVERも2018年上半期にリアルタイム翻訳機能を持つイヤホン「MARS」を発売すると予告しており、こちらは1組のイヤホンを2人が分け合って装着すると、リアルタイムで通訳されるとのこと。AIスピーカーに続き、AIイヤホンにも注目が集まってきている。

英会話学習からリアルタイム翻訳まで、AIが人々の"会話"に与える影響は、ますます拡大していきそうだ。

これを貼れば何でもトースターに見えちゃう魔法のステッカー(AIだけ有効)

画像認識技術の悪夢。

画像認識技術は精巧になってきたかもしれませんが、簡単に騙されもします。これまでAIは研究者らに欺かれ、スキーヤー2人組と犬を、野球ボールとエスプレッソを、そして亀とライフル銃を誤認識してきました。そして、このたび新たに登場したAIを騙す手法は、ただのステッカーを使うだけのシンプルな手法ながら、その影響は広範囲に及ぶものです。

Googleの研究者たちは、関連のない画像の上に置くことで、AIにその画像をトースターだと認識させてしまうサイケデリックなステッカーを開発しました。最近提出されたその攻撃手法についての研究論文には、このステッカーは「状況に左右されず機能する(scene-independent)」と書かれています。すなわち、ステッカーと一緒にどんなモノがAIのカメラに写ろうとも、光がどのように当たっていようとも、どんな角度でカメラが認識していようとも、このステッカーはただカメラに写るだけで機能するということです。しかもネットから共有や印刷できるので入手しやすいというおまけ付き。

Googleのディープラーニング研究チームGoogle BrainのメンバーであるTom Brown氏が投稿したYouTubeの動画では、このステッカーがどのように作用するのかバナナを用いて実演しています。机上のバナナの画像はニューラルネットワークのVGG16によってバナナであると正確に分類されますが、その隣にサイケデリックなステッカーが置かれると、トースターとして分類されてしまうのです。

そうなる理由として、ディープラーニングのモデルが1枚の画像の中で検知するアイテムは1つ、もっとも突出したと考えられるアイテムのみだからだと研究者たちは論文の中で述べています。「ステッカーは、現実世界の物体よりもずっと突出したインプットを生成することで、AIの特徴を利用している」んだとか。「そのため、物体検出や画像分割のモデルを攻撃する時は、標的とされたトースターパッチがトースターとして分類され、画像の他の部分には影響を及ぼさないと予期する」とのこと。

機械学習のアルゴリズムに見間違いをさせる手法はたくさんありますが、簡単に実行できて目立たないという点で、この手法は特に重大です。「人間はこういったパッチに気づけたとしても、パッチの目的を理解しないでアートの形式として眺めるかもしれない」と論文には書かれています。

今のところ、AIにバナナをトースターだと誤認識させたとしても、社会への脅威になることはありません。しかし、世界が画像認識技術に頼ることが増えるにつれ、このような簡単に実行できるタイプの手法は混乱を引き起こすことも。特に注目すべきは自走自動車の発展で、こういった機械は画像認識ソフトに頼って、周辺の状況を理解して作用しています。もし高速道路を転がっている何トンもの金属が、ただのトースターにしか見えないなら危険なことになり得ますからね。

初めての純国産完全自動運転車「マイリー」の実力

 ライドシェアやパーソナルモビリティー──。2018年は、移動手段が大きく変わりそうだ。その実現のカギとなるのは、やはり「自動運転」だ。

 自動運転車は、過疎地などの交通サービスを担うほか、都市部ではこれまでタクシーを利用しなかった人にも移動の自由を提供できるようになると期待されている。

 12月中旬、愛知県は全国に先駆けて公道で「レベル4」の自動運転の実証実験を始めた。レベル4とは、運転席に運転手を乗せずに走る自動運転レベルだ。

 この自動運転車を開発した名古屋の企業で測量ソフトを手がけるアイサンテクノロジー、名古屋大学発ベンチャーで自動運転システムを開発するティアフォーなどは、完全自動運転の電気自動車(EV)「マイリー」を開発した。マイリーで目指すのは、ラストワンマイルのライドシェアなどの移動サービスだ。

 マイリーはハンドルもアクセルもブレーキもない。自動的に目的地まで移動するため、運転手は必要ないのだ。

「純国産の完全自動運転車はこれが初めて」

 とティアフォー創業者で東京大学大学院准教授の加藤真平さんは胸を張る。

 車体本体は、ヤマハ発動機が販売している4人乗りのゴルフカートをベースにした。車体のルーフトップには、自動運転のために周囲の環境情報を取得するセンサーがついている。ぽっこりとした流線形の外装は、3Dプリント事業のカブクが手掛けた。

「マイリーは、サービス事業者や自治体などが行う、移動サービス向けに開発をしました」

 と加藤さん。マイリーの走行速度は、時速10〜20キロ。過疎地や山間部などの特定の地域内で、目的地が同じ複数の人たちが乗り合う移動サービスを想定している。18年には、愛知県内の自治体と共同で、私有地や公道を走行する実証実験を行う計画だ。

●ちょっと移動したいとき

 見据えるのはそれだけではない。自動運転によって、都市部での移動サービスも大きく変動すると考えている。

「アメリカでは、『ウーバー』のようなライドシェアのサービスがはやっても、既存のタクシー業界の売り上げはそれほど落ちなかったんですね。お客さんがライドシェアに流れたんじゃないんです。これまでタクシーを利用していなかった人たちも、移動サービスを使うようになったんです。例えば1〜2キロちょっと移動したいというときにタクシーは利用しにくいが、自動運転の移動サービスなら使いやすいというふうにしていきたい」(加藤さん)

 一般のドライバーが利用者を運ぶ「ライドシェア」は、日本でも規制を緩和する国家戦略特区で始まりつつある。自動運転によるライドシェアであれば、より効率的で使い勝手がよくなる。自動運転によって、潜在的な移動ニーズが掘り起こされ、多くの人たちが移動しやすくなりそうだ。

寄り付きの日経平均は続伸、欧米株高を引き継ぎ買い先行

寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は前営業日比234円44銭高の2万3948円97銭となり、続伸して始まった。

国内連休中の欧米株が堅調だった流れを引き継ぎ先物主導で上昇。取引時間中の昨年来高値を更新している。年初からの上昇ピッチが速く、買い先行後は高値圏でもみ合っている。鉄鋼、証券、不動産が高い。半面、パルプ・紙、鉱業はさえない。