今回はUBIFSとういうLinuxで使用できるファイルシステムについて書きたいと思います。
UBIFSって?
UBIFSとはNANDフラッシュメモリ向けに開発されたファイルシステムです。
フラッシュメモリと言うと、一般的にはUSBメモリやSSDが連想されるかもしれませんが、それらのデバイスはハードディスクと同じような扱いが出きるようハードウェア的な仕組みが入っている為、ここでは該当しません。
UBIFSが対象としているのは、あくまでもCPUのNANDフラッシュメモリ・コントローラに直接接続されたNANDフラッシュメモリです。
何故UBIFS?
フラッシュメモリ上では、JFFS2というファイルシステムが広く使用されてきました。
しかし、JFFS2にはフラッシュメモリの容量に比例して、マウント時間やメモリ使用量が大きくなってしまうという設計上の問題があり、昨今の大容量NANDフラッシュメモリには対応できなくなってきました。
そういった問題を解決するために設計・開発されたのがUBIFSです。
JFFS2と比較すると、UBIFSには以下のような特徴があります。
- 高速マウント
JFFS2の様にマウント時にパーティション全体をスキャンする必要が無く、高速にマウントできる。
- 省メモリ
JFFS2はファイルシステムのインデックスをメモリ上に置いていたため、容量に比例して大量のメモリを消費していましたが、UBIFSではインデックスをフラッシュメモリ上に置いているため、メモリ消費量が少ない。
- Write-Backサポート
Write-Backをサポートしているため高速に書き込み処理が出来る。
- UBI
JFFS2はMTDと呼ばれるフラッシュメモリ・デバイスドライバを抽象化したサブシステム上で動作しますが、UBIFSはMTD上にさらにUBIという、ウェアレベリング※1と論理ボリュームを実現するレイヤをのせ、その上で動作します。
UBIFSを使用してみる
- まずホスト環境で、UBIツールをクロスビルドします。
$ git clone git://git.infradead.org/mtd-utils.git
$ cd mtd-utils/
$ CROSS=arm-uclinuxeabi- make
- ビルドしたflash_eraseallとubimkvolコマンドをターゲットにコピーしてください。
$ cp arm-uclinuxeabi/flash_eraseall [ターゲットのroot]/usr/bin
$ cp arm-uclinuxeabi/ubi-utils/ubimkvol [ターゲットのroot]/usr/bin
- 続いてターゲット環境上でUBIFSで使用するmtdパーティションを初期化します。
$ flash_eraseall /dev/mtd1
- 以下のブートパラメータを追加します。
ubi.mtd=1
- 最後にUBI論理ボリュームを作成 & マウントします。
$ ubimkvol /dev/ubi0 -n 0 -N ubifs -m
$ mount -t ubifs ubi0_0 /mnt
まとめ
駆け足でしたが、UBIFSを紹介してみました。
UBIFSは製品レベルで十分使用できるものと考えていますので、大容量NANDフラッシュメモリを使用する場合は、是非UBIFSの採用を検討してみてください。
またそのうち、UBIFSやUBIの内部構造もご紹介できればと思います。
参考
UBIFS - http://www.linux-mtd.infradead.org/doc/ubifs.html
UBI - http://www.linux-mtd.infradead.org/doc/ubi.html
※1 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
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