最初に「何ができないのかを分かる」ための滑舌トレーニングします。「発音基礎」や「早口言葉」を声に出して読み、自らの声に耳を傾けてください。前回練習した発声も意識してくださいね。
滑舌トレーニング(発音基礎)
まずは「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」から始めましょう。
アナウンサーや役者の発音練習は、「ア・イ・ウ・エ・オ」ではなく「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」と声を出します。この配列は、滑舌を良くし、正しい口の形を意識できるのです。
練習法は3段階です。苦手な音や行があったら、チェックしてください。
1 ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ
一音一音を区切って、リズミカルにはっきり発音します
2 ア〜エ〜イ〜ウ〜エ〜オ〜ア〜オ〜
全ての母音を伸ばしつつ、一息で発音します。
3 アエイウエオアオ
最初はゆっくり、だんだん早くして、早口言葉のように一息で発音します
次のリストを、それぞれ3段階のパターンで発声しましょう。
アエイウエオアオ カケキクケコカコ
サセシスセソサソ タテチツテトタト
ナネニヌネノナノ ハヘヒフヘホハホ
マメミムメモマモ ヤエイユエヨヤヨ
ラレリルレロラロ ワエイウエヲワヲ
ガゲギグゲゴガゴ カ゜ケ゜キ゜ク゜ケ゜コ゜カ゜コ゜
ザゼジズゼゾザゾ ダデヂヅデドダド
バベビブベボバボ パペピプペポパポ
「カ゜ケ゜キ゜ク゜ケ゜コ゜カ゜コ゜」という見慣れない表記があります。
これは「鼻濁音(びだくおん)」です。「ガギグゲゴ」をそのまま発音すると耳障りなので、アナウンサーや役者など話のプロは、ガ行を鼻に抜いて柔らかく発音します。
原則、単語の中や末尾のガ行は鼻濁音で発音します。「映画館(エイカ゜カン)」「音楽(オンカ゜ク)」「賞味期限(ショウミキケ゜ン)」などです。他にも「私が〜○○したのですが〜」の「が」は「カ゜(鼻濁音)」です。
鼻濁音が分からない方は、ニュースやナレーションを注意深く聞いてみましょう。お薦めなのは、フジテレビ系列の朝の情報番組「めざましテレビ」の軽部真一アナウンサーです。軽部さんは、鼻濁音を明確に出しているので、良いお手本になります。
今回の映像では、割り箸を使ったトレーニングを紹介します。
目的は、舌の動きをチェックすることと、割り箸をくわえて負荷をかけることで、口の周りと舌の筋肉を鍛えることです。スポーツジムで筋肉を付けるためにバーベルやマシンで負荷をかけるのと同じ仕組みです。
声帯、口の周り、舌もそれぞれ筋肉です。繰り返し練習すれば、必ず努力に応えてくれますよ。
滑舌トレーニング(早口言葉)
発音トレーニングで思い浮かぶのが、「早口言葉」です。アナウンサーが早口言葉にチャレンジするシーンを、テレビなどで見たことがある人も多いでしょう。
早口言葉は、最初から早く話すのではなく、まずは「ゆっくりと」「一語一語」「明確に音を出すこと」を意識することから始めます。苦手な文章があれば、チェックします。慣れてきたら、だんだん早くしてみましょう。
あやしみと、あやしむべきを、あやしまず。あやしからぬを、あやしむ、あやし
川から上がった河童さんは、皿が乾いたから、頭がなかなか働かなかった。何だか頭がガンガンなった
歌うたいが、歌うたいに来て、歌うたえというが、歌うたいのように、歌うたえれば歌うたうが、歌うたいのようには歌うたえぬから、歌うたわぬ
お客が柿ョむきゃ飛脚が柿ョ食う。飛脚が柿ョむきゃお客が柿ョ食う。お客も飛脚もよく柿ョ食う飛脚
みみずにょろにょろ、三にょろにょろ。合わせてにょろにょろ、六にょろにょろ
カエルぴょこぴょこ、三ぴょこぴょこ。合わせてぴょこぴょこ、六ぴょこぴょこ
踊りおどるなら、踊りの道理を習って、踊りの道理通りに、踊りをおどれ
とろろ汁をとる苦労より、とろろ汁からとろっとする、とろろ汁をとる苦労
笑わば笑え、わらわは笑われるいわれはないわい
わしの家のわしの木に、鷲が止まったから、わしが鉄砲で撃ったら、鷲も驚いたがわしも驚いた
ポイントは、最初から最後まで「同じ速度」で「同じ声の大きさ」で読むことです。実は、人は苦手な発音や言葉の組み合わせになると、無意識に話す速度が速くなり、声も小さくなりがちなのです。
「滑舌に自信がないけれど一人では確認しにくい」という場合は、ボイスレコーダーに録音することをお勧めします。スマートフォンの録音機能を利用すると簡単です。
想像していた声とイメージが違うことが多いため、自分の声を聞きたくないという方も多いようです。しかし、自分の声を客観的に知ることは、とても効果的なのです。「あ、こういう風に聞こえるのか」「あれー、イメージと違うな」などが分かります。また、トレーニングを重ねたら、最初に録音した声と比較すると、声の変化を実感できます。
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