2017年2月13日月曜日

時速1000kmオーバーの超高速鉄道「ハイパーループ」、27のプロトタイプが走る

高速で地上を移動するための新たな交通手段を確立しようと励む企業はいくつかある。その中でもスペースXハイパーループに対するアプローチは興味深い。同社のイーロン・マスクCEOは、同氏が経営するテスラの場合とは異なり、この低圧チューブを利用した超高速輸送システムを自社開発するのではなく、他者の手に委ねて独自のアイデアを膨らませもらおうという姿勢をとっている。

この方針に基づき、スペースX社は29日、世界中からチームを迎えてハイパーループ・ポッド・コンペティションを開催した。スペースX社は、今回の大会で得られた情報も引き続きオープンソース化すると述べている。

2015年夏にスペースX社が発表した第一弾となるポッドのデザイン・コンペには、1,200件を超える応募が寄せられた。多くは大学に籍を置くチームで、そのうちの27チームがカリフォルニア州ホーソーンにあるスペースX社の敷地内に集まり、自らがデザインした試作品をテスト走行させたのだ。

本大会で、実際に作動するポッドのプロトタイプは様々なテストを通して評価される。スペースX社は、人が乗り込むのに十分な広さのポッドを収容できる、1マイル(約1.6km)の真空チューブ状のテスト・トラックを建設している。

参加チームのほとんどは、大学の工学科の学生たちだ。OpenLoop(オープンループ)は、複数の大学による共同チームで、ミシガン大学、ノースウェスタン大学、プリンストン大学、コーネル大学、ハーベイマッド大学、そしてニューファンドランド・メモリアル大学のメンバーで構成されている。これに対し、単独チームのrLoop(アールループ)は面白いことに、大学間の連携がないにもかかわらず、メンバーのうち100名が14カ国から参加。Team Hyperlift(チーム・ハイパーリフト)も注目株で、テキサス州ヒューストンにあるセント・ジョンズ高校の生徒たちのグループだ。

スペースX社が、ハイパーループのチームを自社のテスト・トラックに集めるのは、これで最後というわけではない。この大会に意義を見出している同社は、今夏にも2回目のハイパーループ・ポッド・コンペティションを開催する予定だ。次大会では、どれだけ速度が出せるかが焦点となるはずなので、こちらも見逃せない。

上記ギャラリーでは、大会に参加したポッドの中から注目のデザインをいくつかご紹介しているが、全チームを網羅したリストをご覧になりたい方は、詳細な情報も載っている米国のビジネス情報サイト『Business Insider』がおすすめだ。

 

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