企業はサイバー攻撃に対してさまざまな防衛手段を講じてはいるが、攻撃者はずる賢く、また執拗(しつよう)に攻撃してくる。このため「いつかは攻撃者が防御を突破する可能性を前提にして対策を講じないといけない」と、GRCS マーケティング部 執行役員兼CMOの向井純太郎氏は指摘した。
その手段として注目を集めているのが、さまざまなログを集約、解析して侵入を検知する「SIEM」(Security Information and Event Management)だ。ただ、SIEMを活用するには、導入コストだけではなく、ルールのチューニングの煩雑さや増加する一方のログ容量にどう対応するかといった課題も浮上している。
GRCSではこうした課題を解決すべく、「MapR」をはじめとするオープンソースソフトウェア(OSS)を採用してコストを最小化し、さらにAIの力を活用して脅威検知ルールの作成、修正を支援する「SIEM.AI MT」をリリースした。
「内部からの情報流出や外部からの不正侵入を検知するルールの作成、導入、運用をAIで支援する。ビッグデータの時代において、膨大な容量のデータとどのように向き合っていくかは、今後の重要な課題であり、真剣に考えなければいけない。また、高度化する攻撃に限られたリソースで対処するには、AIのような最新技術の活用が重要だ」
MapRはそのHadoopディストリビューションの一つだ。「MapR-FS」として独自にファイルシステムを書き直すことで、ストレージ本来のI/O性能を引き出し、より高速で安定した処理を実現する。 また、マップアール・テクノロジーズ ソリューションエンジニアの板垣輝広氏も「大量のログにどう向き合うかがポイントだ。従来型データベースでも処理できなくはないが、コストやリアルタイム性といった要件を満たすのが難しい」と指摘。その観点で、大量のログ分析において注目を集めているのが分散ファイルシステム、分散処理フレームワークから成るOSSの「Apache Hadoop」ベースの技術だ。
板垣氏は、MapRの技術を用いてログを蓄積し、機械学習を活用して分析、レポートを行っているNASDAQの例を紹介し、「GRCSも、こうしたワールドワイドで実績のある形と同じ使い方をしている。MapRの特性を生かし、性能と可用性、コストパフォーマンスを両立させたソリューションだ」と述べた。
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