2018年7月23日月曜日

「Windows 10」の自動更新を行わないようにするには

 Microsoftは「Windows 10」の更新プログラムをリリース後すぐに適用することを推奨している。しかし、レガシーアプリケーションを使用している企業では互換性の問題が発生する可能性があるため、Windows 10の更新プログラムをリリース後すぐに適用したくないこともある。

 MicrosoftがWindows 10の自動更新を推奨するのには合理的な理由がある。更新プログラムを定期的に適用しないと、Windows 10は不安定で予測不能な状態になり、次々と増えるセキュリティの脅威に対して脆弱(ぜいじゃく)になってしまう。これを防ぐために、MicrosoftはWindows 10の自動更新をデフォルトの更新スケジュールとして設定している。

 一方でWindows 10に更新プログラムを適用したくない企業にも理由がある。例えば、古いソフトウェアを実行するために、環境を変えることができないことがある。そのような場合、Windows 10の自動更新を止めるためにIT担当者が実施できる方法が幾つかある。

「Windows Update」を無効にするか、従量制課金接続を設定する
 まず、一般的なのは、Windows Updateサービスを無効にすることだ。これを行うには、Windows 10に付属の「サービス」ユーティリティを使用する。Windows Updateサービスを無効にすると、重要なセキュリティ更新プログラムも含め、全ての更新プログラムを受け取らなくなる。

 このサービスを無効にしても、勝手に有効に戻ってしまうことがある。

 原因の1つとして、「Windows 10更新アシスタント」をデスクトップで実行していることが考えられる。これを防ぐには、Windows 10更新アシスタントを「タスクスケジューラ」で無効にするか、アンインストールする。

 Windows 10の自動更新を止めるもう1つの方法は、ネットワーク接続を従量制課金接続として設定することだ。この設定は、データ通信量に上限のあるネットワークのために用意されている。従量制課金接続はモバイル端末で使うことが多いが、それ以外の接続にも使用できる。

 従量制課金接続を設定すると、優先度の高い更新プログラムだけがインストールされ、それ以外の更新プログラムについては通知を受け取るだけになる。従量制課金接続の設定をオフに戻すと、Windows 10の自動更新は即時に再開する。

その他の方法
 Windowsの「Pro」「Enterprise」「Education」のエディションを使用している場合は、「gpedit.msc」ユーティリティでシステムのローカルグループポリシーを編集して、Windows 10の自動更新を止めることができる。

 「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「Windowsコンポーネント」>「Windows Update」フォルダーで、「自動更新を構成する」ポリシーを変更できる。このポリシーを有効にし、「ダウンロードとインストールを通知」オプションを選択する。これにより、新しい更新プログラムが利用可能になったときに通知を受け取り、ダウンロードとインストールを手動で選択できるようになる。

 これと同じ状態を設定するもう1つの手順として、システムレジストリで「HKEY_LOCAL_MACHINE」>「SOFTWARE」>「Policies」>「Microsoft」>「Windows」に2つのキーを追加するやり方もある。ただし、これは危険度の高い方法だ。レジストリを誤って変更すると、回復不能な問題が発生することがある。レジストリを編集するときは、必ず事前に完全なシステムバックアップを実施しておく。システムをバックアップしたら、「regedit」ユーティリティを使って手動でキーを追加するか、キーを追加する.regファイルを使用する。

 もう少し狭い範囲でWindows 10の自動更新を止める方法として、ハードウェアのデバイス設定を変更して、デバイスドライバーが自動更新されないようにすることもできる。そのためには、コントロールパネルの「システムとセキュリティ」>「システム」>「システムの詳細設定」で「システムプロパティ」ダイアログボックスを表示し、「ハードウェア」タブの「デバイスのインストール設定」ボタンをクリックし、「いいえ」を選択する。

 どの変更を行う場合も、十分な準備が必要だ。この他、MicrosoftはWindows 10の自動更新を延期する機能も追加した。自動更新を止める変更を選択する前に、こうした選択肢もよく検討してみよう。

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