昨年のJavaOneでは次期Java SEのリリースの大幅な遅れが懸念されたため、言語仕様に大きな影響を与える取り組みをJava SE 8へと延期することで早いJava SE 7のリリースを目指すという方向が決定されました。後回しとなった主要なプロジェクトは、ライブラリの依存関係管理をシンプルにする「Jigsaw」と、Javaに関数型言語の味付けをする「Lambda」です。
今年のJavaOneでは、去年決定した通りJigsawとLambdaをJava SE 8で取り込むことをあらためて約束し、関連する技術セッションも多く用意されました。ただし、Java SE 8のリリース予定は当初の2012年から2013年へと延期されました。想定よりも仕様策定に時間がかかっているようです。
なお、開発中のビルドはすでにOpenJDKプロジェクトのサイトよりダウンロードできるので積極的に試してフィードバックしてほしいとのことです。
Java SE 9の取り組みはまだ具体化しておらずアイデアをまとめている段階です。ビッグデータの取り扱いやマルチ言語サポートの強化、Java EE 7と歩調を合わせる形でクラウド対応のための機能追加、自分でチューニングできるJVMなどを検討しているそうです。キーワードとしては以下のものが挙がりました。
- Self Tuning JVM Improved Native Integration
- Big Data
- Reification
- Tail Calls / Continuations
- Meta-Object Protocol
- Multi-Tenancy
- Resource Management
- Heterogeneous Compute Models
Java EEの最新バージョンであるJava EE 6は2009年12月にリリースされました。GlassFishがいち早く対応したものの、他に仕様に準拠したアプリケーションサーバがなかなか出揃わず、現在のところJ2EE 1.4やJava EE 5ベースのプロジェクトが多いようです。
しかし、いまやJava EE 6認証済みのアプリケーションサーバは4種類、Webプロファイルのみ対応のものも含めるとは7種類にまで増え(参考:Java EE Compatibility)、Java EE 6はいよいよ普及期に入ったことがアピールされました。
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