Android 4.2の配布が始まりました。
4.2は4.1と同じくJelly Beansですが、マイナーチェンジではなく、かなりの変更が入っています。
というのも、4.2は、Nexus 10とNexus 4との同時発表だったため、新製品に合わせて機能強化が行われたからです。
この4.2ですが、Googleからの直接配信(OTA:Over The Air)であるため、「俺のところにはまだ来ない」という方もあるかもしれません。
そういう場合は、以下の手順でアップデートの通知を受け取ることができる「場合」があります。
「設定」→「アプリ」を開く
横スクロールで「すべて」を表示
「Googleサービスフレームワーク」を探す
タップして開いたら「強制停止」、「データを消去」をタップ(確認が出ますがすべてOKとする)
「設定」→「タブレット情報」→「システムアップデート」を開く
「今すぐ確認」をタップ
ただ、筆者の手元にあるアンドロイド機のいくつかでは、これでもうまくいかないことがあったので確実ではありませんが、運が良ければ、これでシステムアップデートの通知を受け取ることができるでしょう。
それからもう1つ、4.2では「開発者向けオプション」が標準では隠された状態になります。
復活させる方法(後述)はありますが、おそらく、普通の人は「触るな」ということなので、もし、ソフトウェア開発を行っていない場合で、設定をしていた場合、アップデートする前に、設定をオフにしておく必要があります。
標準設定では、アップデート後にバックアップされていた設定が復活しますが、このとき、開発者オプションの設定も復元されてしまいます。
では、4.2を見ていくことにしましょう。
まずは、ロック画面です。
ここには、時計などのウィジェット(専用と思われます)を配置することが可能になりました。
ホーム画面同様に左右にスクロールさせて他のウィジェットを見ることも可能です。
また、配置可能なウィジェットは、4種類で空き領域にあるプラス記号をタップして追加します。
このうち「時計」は、標準搭載アプリの「時計」の設定が使われるため、ここで、他の都市の時間などを設定しておくと、複数都市の時間をロック画面でも表示させることが可能です。
時計や予定、GMail(のinbox)などが、電源ボタンを押すだけでアンロックすることなく表示可能で、特に時計を表示させておくと、普通の携帯電話のように腕時計代わりに利用できます。
さて、具体的な追加機能としては、ロック画面ウィジェット
マルチユーザー
クイック設定
ジェスチャータイピング
スクリーンセーバー
パノラマ撮影機能強化
Miracast
などがあります。
このうち、パノラマ撮影機能は、水平方向だけでなく縦方向も含めた全集撮影が可能とのことなのですが、残念ながらNexus 7には、背面カメラがなく、試すことができませんでした。
また、Wi-Fi経由で画面を他のデバイスに表示するMiracastも対応デバイスがなく、試すことができませんでした。
これらは、また別途解説したいと思います。
便利になった点の1つは「クイック設定」です。
これは、通知パネルと同じくステータスバーからのスワイプ操作で、利用頻度の高い設定項目のある「設定パネル」が開く機能です。
ステータスバーの左側から下にスワイプすれば「通知パネル」、右側からスワイプすれば「設定パネル」になります。
4.1でも画面回転ロックなどは通知パネル上にありましたが、4.2では、無線LAN、Bluetoothや画面の明るさなどの設定画面をここから直接開くことができるほか、「設定」自体もここから開くことが可能になりました。
アンドロイドは3.xからメニューボタンがなくなって、設定に入るのが面倒になっていたのですが、これで簡単に設定を行うことが可能になりました。
筆者は、ホーム画面にWifiWidgetを置いたり、下の固定領域に「設定」アプリを置いたりしていたのですが、これで画面をすっきりとできます。
できれば、バッテリでパーセント表示をしてほしいところですが……。
「マルチユーザー」機能は、複数のユーザーを切り替えて利用する機能で、2人目のユーザーを登録するとロック画面にユーザー選択のアイコンが表示されるようになります。
ユーザーごとにGoogleアカウントを切り替えて表示できるので、たとえば家族でタブレットを共有するなんて場合に利用できます。
ユーザーの新規登録は、「設定」の「ユーザー」から行います。
右上の「ユーザー追加」をタップして追加を行った後、新規のアンドロイド機と同じようにGoogleアカウントなどの登録作業を行うだけで別ユーザーが使えるようになります。
ただし、新規のユーザーを登録できるのは、最初のユーザー(所有者とみなされる)だけです。
ただ、Nexus 7では、複数のユーザーを同時にログオン状態にしておくと、かなり動作がもっさりとします。
必要がなければ登録しないほうがいいかもしれません。
「ジェスチャータイピング」と「スクリーンセーバー」は、ちょっと微妙な機能で、機能としては悪くはないのですが、使わないユーザーも多いと思われます。
「ジェスチャータイピング」は、タッチキーボードでキートップ部分を指を画面から離さずになぞることで入力を可能にする「Androidキーボード」の機能です。
「Google日本語入力Beta」や「iWnn IME」では利用できません。
なので、英語で入力する人はいいのですが、日本語の入力では使えないのです。
この機能は、キートップの上で指を動かし、停まったり向きが変わったところの文字を拾っていくとともに辞書を検索して正しいと思われる単語を候補として表示するものです。
ちょっとつかってみたのですが、タッチタイピングができても、キートップが手の下に入ってしまい、キーボード全体を見ることができないのでキーがどこだかよくわからなくなります。
キーボード上での絶対位置は把握していても、相対的な位置関係を把握しているとは限らないのです。
どちらかというと、自分の名前とか、比較的よく使う単語などで動きのパターンを覚えると素早く入力できるという感じです。
なお、通常のタップでの入力も普通に行うことが可能です。
スクリーンセーバーは、ギャラリーの写真の表示や「カレント」(ニュースサイトなどのレイアウトを変更して雑誌記事風にしてくれるGoogleのアプリ)や時計など5つのパターンが選択できます。
ただし、スクリーンセーバーを表示するのは、充電中かホルダーに装着したときです。
Nexusシリーズのホルダーは未発売です。
常に見えるようなところで充電している場合には、スクリーンセーバーも「あり」なのでしょうが、そうでない場合には、何が映っていてもちっともありがたくありません。
筆者は、スマートフォンやタブレットが多数あるため、専用の充電コーナーを作っています。
仕事する机とは別の場所にあるため、充電中はスマートフォンやタブレットが視野に入ることがありません。
綺麗な画面が出たとしても、見えない場所にあれば、なんのメリットもないそういう意味で微妙な機能なのです。
スタンドなどが発売されて、机の上に置けるようになれば、便利なんでしょうけど。
Nexus Oneはオプションのスタンドがあり、筆者も使っていました。
Nexus 7もスタンド用の充電端子は側面に用意されていますが、スタンド自体が販売されていません。
写真を複数縮小表示する「フォトテーブル」と一枚一枚を切り替えて表示する「フォトフレーム」があり、使い道のないタブレットをインタラクティブなアルバムとすることは可能です(自分のフォトアルバムから表示するアルバムを選択できる)。
「設定」→「ディスプレイ」→「スクリーンセーバー」で設定が可能で、上部にある「今すぐ開始」をタップすれば、スクリーンセーバーが動き出します。
また、このスクリーンセーバーはフォトテーブルの写真の位置を動かすことができるなど「対話的」に動作するというのも機能の1つです。
そのほかにはいくつか強化点などがあり、Bluetoothのスタックなども一新されたようです。
また、4.1からサポートされたWebブラウザの日本語縦書き表示も強化されています。
Nexusシリーズは、開発者向けの標準プラットフォームとしての役割があるため、これまでのバージョンでは「設定」に「開発者向けオプション」がありました。
しかし、Nexus 7あたりから、一般向けに広く販売が行われるようになりました。
このためか、今回の4.2からは「開発者向けオプション」が隠されて、標準状態では見えないようになっています。
これを表示させるには、「設定」→「タブレット情報」にある「ビルド番号」を7回タップします。
4回ほどタップすると、残り回数を教えてくれるようになります。
開発者向けオプションを表示したあとは、タップしも「必要ありません。
既にデベロッパーです」と表示され、いまのところ戻す方法は見つかっていません。
おそらく初期化すれば戻るはずですが……。
4.2で、隠し項目となったためか、開発者向けオプションの設定項目が一挙に増えました。
ただ、中には動作を大きく変えてしまうものもあるため、不用意に触らないように注意が必要です。
アンドロイドの設定画面は、タップでオンになり、その後確認がないものが多いため、知らない間に設定が有効、無効になることがあります。
必要ないなら隠し項目のままにしておくことをオススメします。
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