IBMは、ユビキタスコンピューティングに力を注いでいる。そしてそのアプローチは、コンピューターを砂粒と間違えるくらい小さくすることだ。将来この小さなコンピューターが普及すれば、製品の真偽確認や薬剤の追跡などに役立つだろう。
これはIBMの "crypto anchor" プログラムから生まれた。製品のハイテク・ウォーターマークと呼ばれるもので、さまざまな方法を使って製品がメーカーが言う通りの工場で作られたものであり、偽物が混じったりしていない本物であることを証明するために使われる。
IBMが世界最小のコンピューターと言い続けるこのチップは、ブロックチェーンを導入することも目的のひとつだ。ブロックチェーンを利用したロジスティクスや追跡システムの高度なセキュリティーが、ワインボトルやシリアルの箱のようなものにも適用できるようになる。
IBMはコンピューターを超小型にしただけではなく、これを非常に安く、おそらく1つ10セント程度にするつもりだ。つまり、このテクノロジーを装備する製品のタイプに下限はない。
それだけではない。これにはユビキタスコンピューティングの一般的な特徴もあてはまる。この賢い小粒はどこにでもいられて、ちょっとした計算をしたり周囲の状況を感知したり、他のデバイスやインターネットとつながる。あとは想像力次第だ。
これは小さい(約1 mm x 1 mm)ながら、一人前のコンピューター(最新型ではないが)の能力を持っている。数十万個のトランジスターとわずかなRAMと太陽電池と通信モジュールを備えたチップの能力は、おおむね1990年のチップと同じだ。当時はあれを使ってずいぶんいろんなことができていた。
もちろん現段階ではまだまだIBMの実験室内の研究プロジェクトであり、現実ではない。このプロジェクトは、同社が今後5年間のイノベーションを予言する "five in five" の一環だ。
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