2018年3月16日金曜日

AIによって雇用が増える仕事では、どのようなスキルや経験が必要なのか

 メディアでは「AIが仕事を奪う」というシナリオが波紋を呼んでいるが、このシナリオは事実とは程遠い。われわれの認識では、一部の仕事は失われるものの、AIは人間の能力を拡張することを目的としている。AIはわれわれの生産性を高め、仕事をより迅速に、より正確に行うのを手助けしてくれる。これは、いわゆるブルーカラーだけでなく、ナレッジワーカーなど、あらゆるタイプの仕事に当てはまる。

 ダボスでの会話の多くは、このトピックについてだった。組織のリーダーたちが「技術の、とりわけAIのような破壊的な革新技術がもたらす人的な影響がどうなるのかを知りたい」と考えているからだ。幸いなことに、AIは雇用の創出を促す。2020年には、AIは180万人の雇用を減少させる一方、230万人の雇用を生み出す見通しだ。50万人の雇用純増となるわけだ。

 将来の仕事については、これからも仕事の主役は人間であることを念頭に置くことが重要だ。ただし「われわれが何をどのように行うか」という点では、将来は大きく変わるだろう。

 将来は、特定のAI技術に関する知識に加え、データサイエンスやデータ品質管理といった分野の専門ノウハウが要求されるようになる。今から10年後には、非定型的と分類される仕事が、全体の3分の2を占めるだろう。人々はより多くの頭脳労働を行わなければならなくなる一方、肉体労働は少なくなる。

 こうした仕事を担う人材を確保するために、既存従業員の再教育が必要になる場合もある。その責任は、CIOと人事部門のトップが負うことになる。両者は共同で必要な人材の育成、再教育のための明確な戦略を策定しなければならない。

 AIエンジニアの仕事について言えば、コーディングが自動化される作業になったらスキルアップが必要になる。スキルや経験を新しい役割や課題に効果的に応用するためだ。

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