企業における音声認識技術のユースケースは、主に2種類ある。指示に基づいて処理をする制御アプリケーションへの利用と、AI技術を使った従業員の生産性向上アプリケーションへの利用だ。AI技術が成熟し、企業の業務プロセスに深く浸透していけば、ユースケースはさらに広がるだろう。
音声認識技術を制御アプリケーションに適用すれば、今まではテキストで指示をしたり、手動でこなしたりする必要があったタスクの実行を効率化できる。例えば会議をセットアップしたり、会議室機能を管理したりする音声コマンドをUC製品に組み込むことが可能になる。参加者全員が会議に出席できる時間の調整や会議への招待、会議の予約、関連資料の共有といった作業を、音声による指示で自動化できる。
会議中にはAI技術のレベルに応じて、照明や音量、音響・映像(AV)機器を音声コマンドで操作できる。UCベンダー各社はAI技術を使った音声認識に取り組み始めたばかりであり、今後ユースケースは広がっていくだろう。
生産性向上アプリケーションにAI技術ベースの音声認識技術を生かすユースケースはさらに興味深く、UCベンダーの可能性がますます拡大しそうだ。
AI技術を使った近年の音声認識の精度は、人のレベルに近づいている。テキストから音声へ、音声からテキストへの変換の用途は、無限に広がる。
新しい音声認識技術の活用例として挙げられるのが、議事録作成だ。リアルタイムで発言を記録できれば、出席者はメモを取らずに済み、会議に集中できる。テキスト読み上げ機能を使ってメールを音声で聞いたり、ポッドキャスト(インターネットで更新される音声番組)を作成したりすることもできるだろう。
UCベンダー各社には、こうした音声認識技術を活用した新しい生産性向上機能の提供を期待する。
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