RPAツールには、支援型自動化と自律型自動化の2つの導入モデルがある。どちらのモデルにもメリットとデメリットがある。そのため、RPAアーキテクチャを策定する前にどちらのモデルが企業のニーズを満たせるかを見極めておくことが重要だ。
支援型自動化は、従業員のデスクトップで実行されるさまざまなアプリケーションをRPAツールを使って自動化する場合に用いる。このモデルでは、プロセスの自動化手順を設定するのに人手の介在が必要になる。ユーザーが複雑なプロセスを遂行するのを支援する目的で使われることが多い。支援型自動化のメリットには、プロジェクトの処理時間の短縮、コスト効率の向上、顧客や従業員エクスペリエンスの改善などがある。支援型自動化の大きなデメリットは、RPAが失敗する可能性があることだ。こうした失敗は、グラフィックスやディスプレイの解像度設定の違いなど、デスクトップ設定の不整合が原因になる。また、自動化手順の実行中にデスクトップがロックされることもある。
これに対して、自律型自動化は人手の介在を必要としない。このモデルでは、RPAソフトウェアが独自に自動実行され、問題が発生した場合のみ従業員に警告する。自律型自動化により、RPAソフトウェアを毎日24時間稼働することが可能になる。これはプロセス全体を最適化する理想的なシナリオだ。残念ながら、このモデルには大きな課題がある。自律型自動化を実装するには、構造化した情報と明確に定義したルールが必要になる。だが、こうした情報がプロジェクトのあらゆるユースケースに当てはまるとは限らない。
どちらのモデルを採用するとしても、一方のモデルをサポートしないことを理由にベンダーを選択肢から外さないことが重要だ。複数のツールを利用することが最も有効な手段になることもある。
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