2018年9月14日金曜日

中堅企業はデジタル化のための「現場」をどう構築すべきか

 ある中堅小売企業の新任CIO(最高情報責任者)であるゲーリーは、会社をデジタル時代に対応させる計画を立て始めるようCEOに求められた。この課題に直面しているのは彼だけではない。そして彼は、会社がデジタル時代に適切に対応すれば、大きな見返りが得られる可能性があることを知っている。実際、2023年までに実績あるデジタルワークプレース技術を駆使し、社員のデジタルを使いこなす力の増進に取り組む中堅企業は、そうでない企業と比べて優れた業績を挙げる可能性が2倍高くなる。

 ゲーリーが最初に踏むべきステップは、中堅企業のCIOが最大の課題と考えていること――つまり、文化の変革とデジタル成熟度の向上に取り組むことだ。

 「IT部門とビジネス部門のスタッフの持ち前の多才さを利用し、両者を密接に連携させる必要がある」と、Gartnerのシニアリサーチアナリストを務めるジョー・マリアーノ氏はアドバイスする。

 「そうすれば、ITリソースへの依存を最小限に抑えるとともに、情報と技術をフルに活用し、企業のリーチを広げられる。ただし、そのためには高度な規律が求められるため、管理メカニズムを再評価する必要があるだろう」(マリアーノ氏)

 ビジネス部門に効果的な業務遂行に必要なツールを配備すれば、企業は融通性とアジリティ(俊敏性)を高められ、社員の関与度と生産性も向上し、IT担当者はデジタルトランスフォーメーションに、より多くの時間をかけられる。ゲーリーが企業のこうしたデジタルビジネスへの取り組みをお膳立てするには、中堅企業に固有の課題に対処するとともに、ビジネス部門とIT部門のコラボレーションを強化しなければならない。

どんな課題をクリアすべきか
 中堅企業がデジタル化に着手するには、全社からメンバーを集めた部門横断チームがさまざまなスキルを発揮し、社内で共有するビジョンに取り組む必要がある。このチームに適した人材を選ぶことが重要だ。企業におけるデジタル化の成功は、チームのメンバーが率先垂範できるかにかかっているからだ。

1.ビジネス部門への"大使"となる「ITバーサタイリスト」を見つける
 CIOは、ビジネス部門への"大使"となるITインフラ&オペレーション(I&O)の「バーサタイリスト(複数の役割をこなせる人材)」を見つける必要がある。ビジネス部門への大使は、CIOがビジネス部門とIT部門の連携を確保する上で重要な役割を担うが、現時点でもITスタッフの平均63%がバーサタイリストとして仕事をしているため、大使の候補は何人かいるだろう。

 大使として選ぶべきは、折り紙付きの非技術的なスキル(ビジネスインテリジェンスなど)を持つ一方、ソフトウェア開発やデジタル製品の管理、ITアーキテクチャにも精通している人材だ。大使は、ビジネス部門にデジタル化のビジョンを訴求させる責任を持つ。そのため、必ず賢明に選ばなければならない。

2.ビジネス部門の社員にコラボレーションにおける問題点を挙げてもらう
 社員の既存の知識を生かしてプロセスの課題を明らかにする。これは、社員が複数の役割をこなす中堅企業では特に有効だ。こうした社員はビジネスに関する洞察に加えて、異なる部門がどのように相互に関わっているかについての洞察も提供できる。

3.IT部門の大使とビジネス部門の選ばれた社員から成るチームを設置する
 第3のステップは、これら2つのグループを結集して総合的なデジタルビジネスチームを設置することだ。チームの目標は、特定の技術の改良を進めることではなく、全社的なデジタル戦略を考え、新しいデジタル体験の指針を提供することにある。チームは成功事例を社内に共有し、デジタルワークプレースの価値をアピールする。

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