半導体受託生産の世界最大手、台湾TSMC(積体電路製造)は8月5日(現地時間)、コンピュータウイルスの影響で3日の夜から複数の工場が停止したと発表した。5日の午後2時の段階で、影響を受けたツールの80%が復旧しており、完全復旧は6日の見込みとしている。
TSMCは、米国のApple、AMD、NVIDIA、Qualcommなどから半導体製造を請け負っている。AppleはiOS製品のメインプロセッサ「A12」の製造をTSMCに発注したと報じられている。
TSMCは発表文では具体的な顧客への影響には言及していないが、納品スケジュールで顧客と緊密に協力しており、「第3四半期(7~9月)の収益への影響を約3%と見積もっている。第3四半期の遅れは、第4四半期に取り戻せると確信する」としている。
Appleは例年、9月前後にiPhoneの新モデルを発表・発売しており、初期出荷への今回の工場停止の影響が懸念される。
このウイルス被害は、サイバー攻撃によるものではなく、工場への新しいツールのソフトウェアインストールプロセス中の操作ミスによるとTSMCは説明する。その新しいツールを全社ネットワークに接続したことで、ウイルスが拡散した。機密情報には影響はないという。同社は今後、セキュリティ対策を強化していくとしている。
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