2018年10月29日月曜日

ファーウェイ Mate 20の独自ナノSIM型メモリーカード「MNカード」の謎に迫る

ファーウェイのMate 20シリーズ(Mate 20、Mate 20 Pro、Mate 20 X、Mate 20 RS)は外部メモリカードに「NMカード」を採用しました。ナノ(Nano)SIMと同じメモリ(Memory)ということからNMという名前が付けられましたが、ファーウェイ以外のメーカーの採用は現時点ではありません。またNMカードの供給もファーウェイのみとなっています。

・10/16ファーウェイ祭りを一瞬で把握 iPhoneを充電できるMate 20 Proほか

・ファーウェイの新スマホMate 20シリーズは独自規格「NMカード」採用

10月16日にロンドンで行われたMate 20シリーズの発表会で初めて披露されたNMカードですが、詳細なスペックは書き込み速度が90MB/秒というだけで価格は不明。また発売時期もアナウンスされませんでした。10月16日からヨーロッパなどでMate 20が発売となりましたが、NMカードは本体と同時には発売されていません。発表会の行われたロンドンでも「本体のみ予約受付、メモリカードは入荷時期不明」でした。

独自規格のメモリカードとなると価格・互換性・将来性が心配なところですが、世界シェア2位の座も見えてきたファーウェイにっては自社端末だけの採用でも十分ペイできると考えているのでしょう。また今の時代、自分のスマートフォンのメモリカードをはずしてほかの人のスマートフォンに入れる、ということもほとんどないでしょう。データ共有サービスやクラウドストレージが発達した今、外部メモリカードは一度買ったら本体に入れっぱなしというケースがほとんどでしょう。

「ならばどんな形でもいいんじゃないの?」「どうせならナノSIMカードと同じサイズにするとトレイが小型化できる」というアイディアでNMカードが開発されたのかもしれません。

NMカードの技術的な仕様はまだ一般公開されていないようで、WEBの製品ページをみると背面に8か所の端子があります。端子の数はマイクロSDカードと同じですが、NMカードには「SD」といったロゴは入っておらず、SDカードの標準技術は採用されていません。なおSDカードの標準化団体、SDアソシエーションによると、4K以上の動画の書き込みには90MB/秒の速度があれば大丈夫とのこと。利用範囲がスマートフォンのみということから完全独自技術で開発されたのでしょうが、将来はIoT製品への搭載もできるような拡張性は考えられているでしょう。

ではNMカードのはいつごろから販売されるのでしょうか?ファーウェイの中国のオフィシャルオンラインストア「Vmall」では10月26日から販売を開始しており、以下となっています。

64GB:199元(約3200円)

128GB:399元(約6400円)

256GB:799元(約1万2900円)

さっそく10月27日に深センにあるファーウェイの直営店を訪問して購入してみようと思いました。なお深セン電脳街「華強北路」ではMate 20シリーズの販売プロモーションが行われておりかなりの人だかりができていました。ファーウェイショップもかなりの賑わいでMate 20人気は高いようです。

ところが店内にはNMカードが見当たりません。スタッフに聞くと「入荷はしていません。発売時期も未定です」とのこと。オンラインストアでは注文ができるようなのですが、すぐに発送されるわけではなさそう。

オフィシャルストアがだめでもここは深セン、アクセサリ関係の問屋ビルもあります。格安品や怪しい製品を扱うところではなく、メーカー純正品をいち早く、しかも安く売ってくれる正規の問屋へ向かいます。お店のショーケースを見ればどんなものを扱っているかわかりますが、ここにもNMカードは無し。いくつか問屋を回って1つの店だけが「10月末に入るかもしれないけど予約は受け付けない」という回答でした。

端末は出てきたのにメモリがないというのは困ったものです。まあMate 20シリーズは128GB以上のストレージがあるのでしばらくはメモリ容量に困ることはありません。一方、価格はやはりマイクロSDカードよりは高いようです。Vmallの他社のマイクロSDカードとの価格を比較してみると、

64GB

NMカード:199元

マイクロSDカード:89.9元(SanDisk 100MB/秒)

と倍近くの値段。やはりマイナー規格品は割高なようです。これは128GBにもほぼ同じことが言えます。

ところが256GBを比べてみると、

256GB

NMカード:799元

マイクロSDカード:899元(Kingston 80MB/秒)

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