ニューラルネットワークを用いた機械学習の「ディープラーニング(深層学習)」は人工知能(AI)開発に欠かせない技術であり、AI以外にもGoogleフォトの画像の自動タグ付け機能やAmazonのレコメンド機能など、すでに実用化されている技術に活用されています。そんなディープラーニングを開発者が学習するためのとっておきの方法をGoogleのクラウド開発者がブログで紹介しています。
Learn TensorFlow and deep learning, without a Ph.D. | Google Cloud Big Data and Machine Learning Blog | Google Cloud Platform
https://cloud.google.com/blog/big-data/2017/01/learn-tensorflow-and-deep-learning-without-a-phd
Googleでクラウドプラットフォームの開発を行うマーチン・ゴーナー氏は、「技術者がディープラーニングを学ぶには、ネット上にあふれている情報が難しすぎて学習できないはずだ」と感じたとのこと。ディープラーニングを解説する開発者向けの情報では、解説を理解する前提として「交差エントロピー」「勾配消失」などの難解な概念が当然のように用いられているため、門外漢の開発者にはとうてい理解できない内容だというわけです。
あまりにも難解な内容があふれている状況に「ゴーナー君。積分は幼稚園で学習しただろう?」という大学教授の叱責を思い出してしまったゴーナー氏は、博士号を取得することなく開発者がディープラーニングのテクニックを学べる方法を開発することにしました。ゴーナー氏が開発したのは、Googleの機械学習ライブラリ「TensorFlow」とディープラーニングの仕組みを合計3時間で学ぶという集中レッスン。この集中レッスンでは、「畳み込みニューラルネットワーク」「再帰型ニューラルネットワーク」などの基礎的なネットワーク構造に焦点を絞っているそうです。
ゴーナー氏が開発した「ディープラーニングの開発手法を理解するための3時間集中レッスン」は、2016年11月にベルギーで行われたDevoxx conferenceでプレゼンテーションとして発表されました。以下のムービーで集中レッスンの様子は確認できます。
Tensorflow and deep learning - without a PhD by Martin Görner - YouTube
この集中レッスンで使われたスライドは、以下のサイトで閲覧することが可能です。
Tensorflow and deep learning - without a PhD - Google スライド
https://docs.google.com/presentation/d/1TVixw6ItiZ8igjp6U17tcgoFrLSaHWQmMOwjlgQY9co/
Tensorflow and deep learning 2 - without a PhD - Google スライド
https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vRouwj_3cYsmLrNNI3Uq5gv5-hYp_QFdeoan2GlxKgIZRSejozruAbVV0IMXBoPsINB7Jw
学習項目は以下の通り。ニューラルネットワークとTensorFlowの基礎
複数のレイヤー、ReLU、ドロップアウト、崩壊率
畳み込みニューラルネットワーク
バッチの正規化
ハイレベルAPI
再帰型ニューラルネットワーク
Googleクラウド機械学習プラットフォーム
なお、「3時間も使ってられない、1時間にして!」という忙しい人のために1時間バージョンもあります。
Tensorflow and deep learning - without a PhD by Martin Görner - YouTube
ディープラーニングを学ぼうとして高度な用語のオンパレードに圧倒される前に、まずは3時間ないし1時間の集中レッスンを試してみるのもいいかもしれません。
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