データの種類はさまざまだ。それを念頭に置いた上で、企業で次のようなユースケースを検討しているなら、ビッグデータ分析ソフトウェアは合理的な投資になる可能性がある。
- 顧客分析
- 顧客層や顧客の動き、特徴などを分析する。顧客を分類し、顧客離れを予測し、顧客に最善の提案をするための分析モデルを構築して、顧客維持を後押しする
- 販売分析とマーケティング分析
- マーケティングのユースケースは2種類ある。1つ目は分析モデルを使用して、顧客向けアプリケーションで顧客に直接推奨する方法を改善するケースだ。例えば関連商品や上位商品を販売する適切な機会を特定したり、購入のキャンセルを減らしたりする。また組み込みの商品推奨エンジンの精度を全体的に改善する。2つ目はもっと内省的なものだ。営業グループによるプロセスやキャンペーンのパフォーマンスを示し、そうしたパフォーマンスを最適化する方法を提案することが目的になる。例えば特定の集団や層のニーズに適したキャンペーンと、そのキャンペーンが顧客の行動へとつながった成功率を分析するケースがある
- ソーシャルメディア分析
- ソーシャルメディアでやりとりされているコンテンツから、顧客の意見を分析する機会はたくさんある。企業の製品/サービスについて否定的な情報が広まっている場合は、ブランドのリスクを見極める大きな機会にもなる
- サイバーセキュリティ
- 小売り大手のTarget、ソニー、医療保険のAnthemなど、企業に対する大規模なサイバーセキュリティ攻撃が発生している。この事実は、サイバーセキュリティ攻撃が実行されたときに、それを迅速に認識する必要性が高まっていることを意味する。潜在的な攻撃を突き止めるには、分析モデルを構築する必要がある。ネットワーク活動と、それに付随するアクセス動作を反映した大量のデータを監視するためだ。それを通じて攻撃の恐れのある疑わしきパターンを識別する
- 工場と設備の管理
- インターネットに接続するデバイスの増加に伴い、企業はこうしたデバイスが出力するストリーミングデータを収集して分析するようになってきた。こうしたデータは、電力使用量、温度、湿度、微量の汚染物質などに関する継続的な測定値を示す。変化する可能性のある値は、他にも無数に存在する。設備の障害を予測したり、予防的なメンテナンスをスケジューリングしたりするための分析モデルを作成できる。これにより設備の正常動作を継続的に維持できる
- パイプライン管理
- エネルギーのパイプラインにセンサーや通信機能を取り付ける動きが広がっている。これにより継続的にセンサーデータをストリーミングできるようになる。こうしたデータを分析することで、監視やメンテナンスの必要な問題を探すことができる
- サプライチェーンとチャネルの分析
- トラック輸送や鉄道輸送、海上輸送などの各チャネルについて、倉庫の在庫、POSのトランザクション、出荷に関する分析をすることで、先回りした消耗品の補充や在庫管理、物流管理、経路最適化を後押しする可能性がある。物流の遅延によってタイムリーな配送ができなくなりそうな場合の通知にも役立つ
- 価格の最適化
- 製品販売の利益を最大化しようとする小売業者は、各種データを組み合わせた分析モデルを構築することで、製品価格を動的に調整できる。組み合わせるデータには、競合業者の製品価格、多くの地域における売買取引(需要の確認が目的)、サプライチェーンに関する情報(供給量を監視するため)などがある。供給量が減っていたり、需要が高まっていたり、競合業者が提供できない場合は価格を上げる。需要が変わり、在庫を一掃する必要がある場合は価格を下げる
- 詐欺の検出
- 詐欺行為や詐欺取引が広がる中、金融機関は膨大な数の取引を分析して、詐欺行為のパターンを識別している。詐欺取引が発生している恐れがある場合に、顧客に向けてアラートを発することもできる
これらはいずれも同じ特徴を共有する。まず構造化データと非構造化データの両方が分析対象になる。次にデータのアクセス元または流入元となるソースが多様だ。そしてデータ量が膨大になる可能性がある。そこから分析の成果である分析モデルを使用して、データソースから即座にパターンを識別する。
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