NTTドコモなど携帯電話大手3社が、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムのサービスを2019年に始める構想を発表しました。最近よく耳にする「5G」ですが、実現すると何ができて私たちの生活はどう変わるのでしょうか。(大島光貴)
−5Gとは?
「大量のデータを瞬時にやりとりできる次世代の携帯電話システムだよ。Gは『世代』を意味する英語(ジェネレーション)の頭文字。『ファイブ・ジー』との呼び名が一般的だ。日本では東京五輪がある20年ごろの実用化を目指し、政府や携帯電話会社が中心に準備を進めているよ」
−1Gもあったの?
「携帯電話システムは10年ごとに進化を遂げてきた。1980年代に登場した1Gはアナログ方式で音声通話のみ。90年代の2Gでデジタル方式になり、メールが送受信できるようになった。2000年代の3Gでインターネット接続が容易になり、『iPhone(アイフォーン)』の国内販売が始まった。10年代に進化した4Gの通信速度は、1Gに比べて約10万倍になったとされる」
−なぜ、5Gが必要?
「国内では携帯電話の通信量が毎年約1・4倍ずつ増えている。今後、あらゆるモノがインターネットにつながる『IoT』化が進むとさらに通信量が増え、4Gでも必要な量を賄えなくなるというのが業界の一致した見解らしいね」
−どれぐらい通信が速くなるの?
「通信速度は毎秒10ギガビットと、4Gに比べて10倍〜100倍に高まるそうだ。『4K』『8K』と呼ばれる超高精細な映像を配信し、2時間の動画も3秒でダウンロードができる」
−ほかに特長は?
「通信の遅れがほとんどなくなるといっていい。遅れは0・001秒と4Gの10分の1に縮まるので、車の自動運転やロボットの遠隔操作などもできる。自宅の部屋で家電やセンサーなど約100個の機器を同時にネット接続することも可能。例えば、外出先から冷蔵庫の中を確認し、今ある食材で作れる料理や、必要な食材を教えてもらえるようになるかもね」
−5Gの体験施設があるって聞いたけど。
「携帯電話各社は今春から、5Gを使ったサービスを考えている企業に技術を試してもらう拠点を順次開いた。関西ではドコモが9月、大阪に設けて話題になった。一般の人には、東京スカイツリー直下の商業施設にドコモの体験施設があるよ」
−兵庫県内でも、5Gに取り組む企業はあるの?
「三菱電機は高周波光デバイス製作所(伊丹市)で携帯電話基地局向けの部品を製造し、今月に発売。ドコモの拠点を使えるパートナーの約1800社・団体には県内企業も入っており、20年に向けて取り組みはどんどん広がりを見せると考えられるよ」
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