2018年6月22日金曜日

「ポスト京」の試作CPUが完成、機能試験を開始

 富士通と理化学研究所は2018621日、ポスト「京」スーパーコンピュータ(スパコン)に搭載するCPUの試作チップが完成したと発表した。試作チップの初期動作確認が完了し、本格的な機能試験のフェーズに入る。

 
「富士通フォーラム2018 東京」(201851718日、東京国際フォーラム)で公開されたCPUパッケージ

1CPU1ノード構成のポスト京、48計算コアを1CPUに集積

 ポスト京は、2021年頃の運用開始を目標に開発が進むスパコン。理化学研究所で現在運用中のスパコン「京」の後継機とされており、京の最大100倍となるアプリケーション実行性能を達成しつつ、消費電力を京の約3倍となる3040MW程度に収めることを目標としている。

 ポスト京のCPUは、命令セットアーキテクチャにFP1616ビット浮動小数点)対応のArmv8-ASIMD拡張命令セットにArmと富士通が共同開発したSVEScalable Vector Extensions)を採用。京で採用していたSPARCから切り替えている。これにより、「オープンソースソフトウェアなどを含めたソフトウェア資産が広く利用」できるとしつつも、京で蓄積したプログラム資産は「リコンパイルすることで確実な移行と性能確保」を行うという。

 このCPU48計算コアを集積し、1ノードに1CPUが搭載される。1ラックあたりのノード数は384。インターコネクトには、京で開発された6次元メッシュトーラス構成の「Tofu」に改良を加えたものを引き続き採用する。

 
ポスト「京」の主な仕様(クリックで拡大) 出典:富士通

 

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