2018年10月1日月曜日

Microsoft、「Azure Machine Learningサービス」に自動機械学習機能を統合し、Python SDKを追加

 Microsoftは2018年9月24日(米国時間)、米国フロリダ州オーランドで開催中のITプロフェッショナル向けカンファレンス「Microsoft Ignite 2018」において、現在プレビュー段階にある自動機械学習機能を「Azure Machine Learningサービス」に統合中であることを発表した。さらに同サービスへPythonプログラミング言語用のSDKを追加したことも明らかにした。Pythonはデータサイエンティストに人気のプログラミング言語だ。

 この自動機械学習機能は、AI開発の一環としてデータの変換や、モデルの選択、ハイパーパラメーターのチューニングを自動的に行う。データから予測を行うモデルを開発し、トレーニングを施し、クラウド、オンプレミス、エッジにデプロイしたいと考える全ての人向けのエンドツーエンドソリューションとして、MicrosoftはAzure Machine Learningサービスを推進している。同サービスでの自動機械学習機能の提供は、この取り組みの最前線を担うことになるという。

 Python SDKは、Azure Machine Learningサービスを「Visual Studio Code」「PyCharm」「Azure Databricks Notebook」「Jupyter Notebook」いったPython開発環境と統合する。さらに、このSDKでは、開発者の自由度を高めるため、多種多様な機能が利用できるようになっている。例えば、モデルの構築や、トレーニングの高速化が可能なGPUを利用した分散ディープラーニングや、Azureでの高速な画像分類、認識を実現する強力なFPGAへのアクセスなどが含まれる。

 Azure Machine Learningへの統合が進められている自動機械学習機能について、MicrosoftのAIプラットフォーム担当コーポレートバイスプレジデントを務めるエリック・ボイド氏は次のような見通しを示した。

 「自動機械学習の一環として、機械学習モデルの選択や、モデルのパフォーマンスを左右するハイパーパラメーターのチューニングを自動的に行う機能のおかげで、より幅広い顧客がAI開発に取り組めるようになるだろう」

 さらに同氏は、「機械学習の専門家であるデータサイエンティストにとっても、この機能は便利だ。データサイエンスにおける退屈な作業の多くを自動化してくれるからだ」と付け加えた。

 例えば、ハイパーパラメーターのチューニングの自動化は、(1)ハイパーパラメーターがさまざまな方法でチューニングされた幾つかのモデルを、ユーザーの新しいデータセットに対して実行する、(2)それぞれのパイプラインの予測精度を学習する、(3)その情報を踏まえて次の一連の提案を行う——というプロセスを数百回繰り返すことで実現しているという。

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