Pivotalは2018年9月25日(米国時間)、同社が開催中の「SpringOne Platform 2018」で、アプリケーションプラットフォームの新版「Pivotal Cloud Foundry 2.3(PCF 2.3)」を発表した。
PCFは、Cloud Foundryプラットフォームである「Pivotal Application Sercice(PAS)」、Kubernetes環境を提供する「Pivotal Container Service(PKS)」、そしてマーケットプレイス機能である「Pivotal Services Marketplace」を統合したもの。それぞれに進化が見られる。
なお、Pivotalは以前、サーバレスコンピューティングを実現する「Pivotal Functions Service(PFS)」を2018年中に追加すると表明していた。R&D担当シニアバイスプレジデントのオンシ・ファクーリ(Onsi Fakhouri)氏は、同社が参加し、コードコントリビューションをしているOSSプロジェクト、Knativeの技術を活用し、間もなく提供すると話した。
PKSはvSphere、GCPに続きAWSをサポート、Azureにも間もなく対応
PKSの新版PKS 1.2は、Amazon Web Services(AWS)上で稼働できるようになった。PivotalがVMwareおよびGoogle Cloudとともに開発したPKSは、これまでVMware vSphereとGoogle Cloud Platformの上で動かすことができた。これにAWSが加わったことになる。ファクーリ氏によると、Microsoft Azureのサポートも間もなく実現するという。
Kubernetesは3カ月単位でバージョンアップするが、PKS 1.2ではKubernetes 1.10から1.11への更新が自動的に、ダウンタイムなしで行われる。
また、PKS 1.2では、マスターノード、etcdノードを複数のアベイラビリティゾーンに配置することで、可用性を高めるマルチマスター機能が、本番適用できるようになった。同機能は、前バージョンのPKS 1.1ではβとして提供されていた。
マーケットプレイス機能の「Pivotal Services Marketplace」では、これまでRabbitMQ、MySQLなどをオンデマンドで、自動運用されるものとして提供されてきたが、間もなくAWSのサービスブローカー機能が加わるという。これにより、AWSのサービスカタログに含まれる18のサービスが利用できるようになる。
「複雑性排除」が今回のテーマ
Cloud Foundryに基づくPASは、開発者が余計なことにとらわれずに高速なイテレーションを実行することを助けるプラットフォームとして提供されてきた。だが、大規模環境では、さまざまな複雑性が避けられない。
そこで監視ツールである「Healthwatch」の新バージョンでは、ダッシュボードのユーザーインタフェースを一新、トップで全体を俯瞰し、実行すべきアクションが一目で分かるようにしたという。
また、自動アップデートに関しては、Pivotal社内で活用してきたConcourseを活用し、「Platform Automation」と呼ぶツールを提供開始する。同ツールでは、基盤に関わるあらゆるパッチを自動実行するという。
Istioが提供しているようなサービスメッシュの機能は、「コードでなくコンフィグによって洗練されたアプリケーションネットワーキングを実現するもので、素晴らしい。だが、まだ初期の段階だ。そこで、コミュニティ・エコシステムのベストな技術を、段階的にPCFへ組み込んでいく」とファクーリ氏は話した。
こうした取り組みの1つに、PAS 2.3で追加されたアプリケーションの相互認証機能である「Mutual TLS」があるという。証明書は毎日、自動更新される。大規模な環境への適用における複雑さはないと、ファクーリ氏は説明した。
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